コラム

05. 社内会議…メイソウの時間

2019年03月19日
人事労務は海外経営の基礎

社内会議は、経営者も社員も不満を抱える日系企業の重要活動の一つ。

経営者は「いつもオレばかりしゃべって、彼らはぜんぜん意見を言わないし、結論を出そうともしない」と不満。社員たちは「この会社、会議が多すぎる。けっきょく会議をしても決まらないんだから、最初から老板(ボス)が決めればいいのに。無駄な時間ばかり取られてやってられない」と文句。

誰も納得感のないまま、膨大な時間とコストを割いているのが社内会議です(参加者の時間あたり人件費×参加者数×時間)。会議の生産性 の低さは、いくつかの指標を見れば分かります。

□欠席者の数
□遅刻者・途中退出者・離席者の数
□携帯電話持ち込み・使用者の数

これらが目立つ会議は、廃止するか人数を大幅に減らすべき。形だけ真面目な参加を強制してもダメです。「会議に参加しろ、他のことはするな」と命じると、彼らは「瞑想」に入ります。居眠りするとボスに怒られるため、目はつぶらない。でも自分の世界に入って静かに時が過ぎるのを待つ。個人的には素晴らしい精神修養ですが、会社の発展成長への貢献度はたぶんゼロです。

ではどうするか。ボスの本気度を示す。参加ルールを厳格化する。司会者のファシリテート力(ゴールを共有し、場の議論や思考を刺激し、ゴールに到達できるよう導く技術)を磨く。毎回結論を出し切る。主催側の工夫と改善がない限り、会議は迷走し続けます。

2018.08 BizChina誌

この記事を書いた人

小島 庄司Shoji Kojima

多文化混成組織の支援家、Dao and Crew 船長。
事業環境のシビアさでは「世界最高峰」と言われる中国で、日系企業のリスク管理や解決困難な問題対応を 15 年以上手がけ、現地で「野戦病院」「駆け込み寺」と称される。国籍・言葉・個性のバラバラなメンバーが集まるチームは強いし楽しい!を国内外で伝える日々。