コラム
01. 焼畑経営はマズいです。
多くの皆さんとは「初めまして」ですね。中国で日系企業の組織や対外対応の課題を解決している小島です。十年以上Whenever天津誌でコラムを書いてきましたが、残念ながら三月で休刊。こちらで書かせていただくことになりました。
やっている仕事は「野戦病院」。現地の前線で、緊急事態や重大局面に際して日系企業の利益を保護する活動です。仕事の端緒が「夜逃げ撤退の相談」ということもあります(夜逃げは色々大変ですから、それ以外の方法で解決しますが……)。
この欄では事例や実情を交えて中辛な問題提起を行っていきます。皆さんに「ドキッ」「痛いなぁ」と感じてもらえれば本望。一社でも多く、組織や対外対応の問題で利益を損なったり、存続の危機に瀕したりしないよう、一助になればと思います。
最初のお題は「焼畑経営は卒業しましょう」。焼き畑って学校で習いましたよね。草地や林などを焼いて肥料にし、そこに作物を植える耕作法。肥料の効果が薄れると次の場所に移ってまた焼く。放置した焼き畑は草地や林に戻して土地の回復を待つ。耕地よりも草地や林の方が圧倒的に多い場合はこのやり方を続けられますが、土地の回復速度が耕作に追いつかなくなると、いつかは行き詰まってしまいます。
海外事業もそんな焼畑経営になっている場合があります。中国の次はベトナムやインドネシア。ここも苦しくなってきたらミャンマーかカンボジア。さらに次はラオスかバングラ。人件費の安さや政策の緩さで利益を出していると、いつか移転先がなくなって行き詰まってしまいます。
2018.04 BizChina誌
この記事を書いた人
多文化混成組織の支援家、Dao and Crew 船長。
事業環境のシビアさでは「世界最高峰」と言われる中国で、日系企業のリスク管理や解決困難な問題対応を 15 年以上手がけ、現地で「野戦病院」「駆け込み寺」と称される。国籍・言葉・個性のバラバラなメンバーが集まるチームは強いし楽しい!を国内外で伝える日々。