コラム

07. Beautiful Name

2019年04月16日
人事労務は海外経営の基礎

皆さんは、部下や同僚のことをどう呼んでいますか。「張さん」「田君」「李部長」、商社では英語名かもしれません。まさか「オイ」「ちょっと」「アンタ」みたいに呼んだりはしていませんよね(ごくたまに実例を目撃しますが)。

相手に対する呼びかけは、コミュニケーションの最初の一歩ですが、意外と無造作に行われている気がします。一番いいのは「相手が望むように呼ぶこと」ですが、これはかなり難しいし時間もかかる。

そこで確実なのは「本来の発音で呼ぶこと」です。張良なら「ジャンリャン」、田文なら「ティェンウェン」。中国人同士で呼んでいるのをまねてもいいでしょう(通訳担当や幹部に、自分がそういう呼び方をしても不適切でないかは確認を)。

日本人にとって発音が大変な名前もあるでしょうが、大変だからこそ意味がある。難しい発音なら、まず前任者や他の日本人から本来の音で呼ばれたことなどないでしょうから、あなたが発音するだけで、親近感を持ってもらえる。任期中、ずっと使えるわけですし、費用対効果の高い努力だと思います。

もう一つ、ぜひ頑張っておきたいのは、できる限り部下の顔と名前を覚えること。10人のチームなら平気ですが、100人ともなるとなかなか大変。でも、覚えて呼びかけるだけで確実に距離は縮まります。

デール・カーネギーやゴダイゴが言うように、自分の名前は、誰にとっても最も大切で、特別なひびきを持つ言葉。ぜひ呼びかけましょう。

2018.10 BizChina誌

この記事を書いた人

小島 庄司Shoji Kojima

多文化混成組織の支援家、Dao and Crew 船長。
事業環境のシビアさでは「世界最高峰」と言われる中国で、日系企業のリスク管理や解決困難な問題対応を 15 年以上手がけ、現地で「野戦病院」「駆け込み寺」と称される。国籍・言葉・個性のバラバラなメンバーが集まるチームは強いし楽しい!を国内外で伝える日々。