コラム
26.テレワーク時代のチームワーク ②
世界的な感染状況はまだ深刻さの中にありますが、徐々にコロナ後の世界が見えてきました。治療法は未確立ながら、社会が新型コロナを理解し、適応しつつあるようです。
自社で2014年にリモート・マネジメントを試し始めてから2年間は、正直いろいろ苦戦しました。タイやフィリピンに1週間出かけてオフィスに戻ってくると、明らかに空気が弛緩している。WeChatや電話やメールで頻繁にコミュニケーションしていても、やはり違う。通常の雰囲気に戻すのに1週間かかりました。
それまでは、案件のヤマ場や緊急対応時は私が陣頭指揮を執っていたため、電話で間接的な指示しか出せないと、どうしても落差が生じる。何度か国外滞在を打ち切ってすぐ帰ろうと手配しかけたこともありましたが、ぐっと我慢して一度も戻りませんでした(代償はあっても、けっきょくこれが鍵なのかもしれません)。
特にきっかけや事件があったわけでもなく、2年ほど経ってふと気づくとオフィスに戻った際の空気が変わらなくなっていました。以来、私の不在頻度や期間を上げても、チームの雰囲気が変わることはありません。
今回のコロナ禍でも、チーム全員が2か月以上テレワークに切り替え、私は春節前にオフィスへ顔を出したきりですが、ほとんど同じノリでチーム作業を継続してきました。
もう一つ、結果的にリモート・チームワークを育んだのは、闘病や育児などで出社が困難になった社員たちの在宅勤務でした。
2020.06 BizChina誌
この記事を書いた人
多文化混成組織の支援家、Dao and Crew 船長。
事業環境のシビアさでは「世界最高峰」と言われる中国で、日系企業のリスク管理や解決困難な問題対応を 15 年以上手がけ、現地で「野戦病院」「駆け込み寺」と称される。国籍・言葉・個性のバラバラなメンバーが集まるチームは強いし楽しい!を国内外で伝える日々。