コラム

28.テレワーク時代のチームワーク ④

2020年08月17日
人事労務は海外経営の基礎

高温多湿の季節になったら新型コロナも下火になるのではと期待されていましたが、北京や東京を見ているとそうもいかないようですね。いまの様子だと、隔離期間なしの往復が年内に復活することはないのではないかと思えます。これまでは「数か月とりあえずしのいで」だった企業さんも、そろそろ現在の状態のままで本来あるべき経営のスピード・挑戦・成長を図るやり方を確立しないと、現地の環境変化について行けなくなる恐れがあります。

2014年から始めた弊社のリモート・チームワークは、私のASEAN滞在、社員たちの病休・育休・休職・在宅勤務・変形労働などを経て、特殊状態から常態に変わっていきました(ドラゴンボールで言うと、孫悟空がスーパーサイヤ人の状態に慣れようと、変身したまま日常生活を送ってみた感じでしょうか)。

私が出張から戻っても雰囲気が変わらないようになり、もう少し進むと遠隔地にいる私に納期督促の矢が飛んでくるようになりました。ここまで来ると攻守逆転です。いまでも私から突っ込むことはありますが、日常業務においては、1:9でほとんど私が管理される側です。

現在に至る過程で、いろいろポイントはあったものの、これを欠いたら不可能だったという鍵の一つは、社員たちが「お互いさま」と考えてくれたことでした。これを「また私の負荷が増えた」とか「いつも私ばっかり損してる」と毒を吐く社員がいたらリモート・チームは無理でした。

2020.08 BizChina誌

この記事を書いた人

小島 庄司Shoji Kojima

多文化混成組織の支援家、Dao and Crew 船長。
事業環境のシビアさでは「世界最高峰」と言われる中国で、日系企業のリスク管理や解決困難な問題対応を 15 年以上手がけ、現地で「野戦病院」「駆け込み寺」と称される。国籍・言葉・個性のバラバラなメンバーが集まるチームは強いし楽しい!を国内外で伝える日々。