コラム

29.テレワーク時代のチームワーク ⑤

2020年09月18日
人事労務は海外経営の基礎

日常の仕事や生活がどんどん戻っている中国と、感染拡大が常態化して危機感もすり切れてきたような日本。ずいぶん対照的な夏となりました。日本ではGo Toキャンペーンまで打って旅行需要を喚起しようとしたものの完全な不発。中国では慎重派の弊社社員でさえ国内旅行に出かけたりしています。秋が深まるころには、どんな光景が広がっているんでしょうか。

 

私は、毎週水曜昼に実施しているオンラインセミナーで、解雇や組織改革の実務について解説しています。就業規則は性悪説に基づいて制定・運用する必要があるとも強調しています。一方、リモート・チームワークの歴史でご紹介したように、弊社には勤怠管理のシステムがなく、記録もしていません。仕事時間や場所の自由度も相当高い方だと思います。すると「小島さんは、中国のマネジメントでは性悪説が必要だと言っているが、DACの運営は性善説でやっているように感じる。なぜ?」といった疑問をいただきます。

この答えは簡単で、弊社では性悪説による管理の必要な人がチームに入ってきたら、指導・評価・退職勧奨を通じて、辞めてもらっているからです。弊社はこの16年間ずっと8〜11人の規模ですが、辞めてもらった人が5人います。ついて行けないということで辞めた人たちもいます。ですから、性善説でチーム運営しているというより、チームメンバーを峻別することで性悪説による管理の必要性を減らしているのです。

2020.09 BizChina誌

この記事を書いた人

小島 庄司Shoji Kojima

多文化混成組織の支援家、Dao and Crew 船長。
事業環境のシビアさでは「世界最高峰」と言われる中国で、日系企業のリスク管理や解決困難な問題対応を 15 年以上手がけ、現地で「野戦病院」「駆け込み寺」と称される。国籍・言葉・個性のバラバラなメンバーが集まるチームは強いし楽しい!を国内外で伝える日々。