コラム

33.「95后」が主流の時代…想定外の反応に萎えた

2021年05月17日
人事労務は海外経営の基礎

この稿を書いているのは12月上旬。北半球では冬季を迎え、新型コロナの感染が再拡大しています。懸念される状況なのは間違いありませんが、社会(自分)が新事態に適応してきたからなのか、春や夏に比べれば落ち着いた心持ちで年末年始を迎えつつあります。2021年が穏やかな年となることを願っています。

前回、「95后」は中国人管理者にとっても戸惑いを覚える、ちょっと異質な存在だと書きました。私自身、95后の新人を採用した経験からそう感じるときがあります。違いの一端を日系企業の中国人幹部と私の体験談から紹介します。

「客先での会議に新人二人を連れて行った。休憩をはさんでふと気がつくと二人がいない。結局そのまま会議終了まで戻ってこなかった。どこに行ったのか心配になり外を見回ると、二人が向こうから歩いてきた。『どうしたんだ』と聞くと『会議に出ていても全然話が分からないので外にいました』とケロッとしている。もう怒る気も萎えちゃったよ」

私のは留学生の採用面接を東京で実施した際の話。相手が迷わないよう「丸ビル1Fの上りエスカレーター前。僕はこういうカバンと本を持っているから」と東京駅から丸ビルへの行き方・私の連絡先と写真まで添えて事前に伝えました。当日早めに着いて待っていると時間を過ぎても来ない。連絡も入らない。迷って焦っているのかと思って電話を入れたら「八重洲口(丸ビル側と正反対)にいます」と普通に返ってきました。

2021.01 BizChina誌

この記事を書いた人

小島 庄司Shoji Kojima

多文化混成組織の支援家、Dao and Crew 船長。
事業環境のシビアさでは「世界最高峰」と言われる中国で、日系企業のリスク管理や解決困難な問題対応を 15 年以上手がけ、現地で「野戦病院」「駆け込み寺」と称される。国籍・言葉・個性のバラバラなメンバーが集まるチームは強いし楽しい!を国内外で伝える日々。