コラム
DACで始めたモグラ叩きを卒業する解決策④ 自分でやるより…
ここ数年、身体のあちこちにガタがきて、アラフィフを痛感しています。最初は右膝。夏場をサンダルで過ごしたのがよくなかったのか、いつの間にか痛みが出ていました。一年以上は正座など論外、しゃがむこともできない生活でした。それがようやく収まったと思ったら、今度は右肩。いわゆる五十肩で名前からしてショック。こちらも一年近く要して収まったのですが、入れ違いに左肩が……。左肩もやっぱり五十肩。現在、寝返りで左側を下にしても痛みで目が覚めるような状態です。
ただ、救いなのは、定期的に身体をケアしてもらう整体師さんがいること。ケアしてもらうと一時的にでも痛みが緩和しますし、どういう原因で痛めているのかを学んだり、痛めた部位をかばうことで他を痛めたりしないよう施術・指導してもらったりしています。この整体師さんにはもう五年くらい毎月お願いしているので、早めのケアができています。
もし、日常から見てもらっていないと、私の場合、痛みが出るまで気づかない→我慢できなくなってから医者や整体院に行く→忙しかったり症状が緩和したりしたら行かなくなる→予防策は何もないのでまたどこか痛める→……の繰り返しになることは確実です。さらに部位や痛め方によっては、悪化してからだと修復できない変形や慢性化を招くこともあります。「もっとも費用対効果が高いのは、健康維持に投資することである。どんな一流病院や名医に頼んでも、病気やケガになってからの治療は次善以下に過ぎない」という言葉、いまの私は身に染みて分かります。
さて、皆さんはプライベートでも仕事でも、日常からすぐ相談できる専門家をどれくらい確保していますか。私の場合、仕事とプライベートが渾然一体ですが、整体師さん以外に、中国の弁護士さんや会計士さん、日本の税理士さん・保険屋さん・DXのプロ・建築屋さんなどがいます。他の領域で困ったら、まずこの人たちに声をかけて紹介してもらえば、相談相手が確保できます。逆に、私が紹介を頼まれることもあります。
三十代のころ私は「まず自分でやってみる」タイプでした。プライベートではプロを確保する必要性も余裕もありませんでしたし、会社では決裁権限がありませんでした。ところが四十代も半ばになると状況は一変します。自分は、自分が創造性や強みを発揮できる領域に集中したい。やりたいことはたくさんあるが時間が足りない。だから「まず自分で」という発想はなく、「誰に頼んだら手を離せるか、課題を解決してもらえるか」を考えます。もちろん、予算枠や費用対効果は考えますが、信頼できるプロが見つかればプロに、という発想が強くなりました。
弊社が始めた「DAC Dock」も、もしかすると私自身のこういう価値観の変化が根底にあるのかもしれません。なぜ十年前に思いつかなかったのかと振り返ることがありますが、十年前の私には「全部振ってください」という発想は出て来なかったと思います。
2022.04 Jin誌
この記事を書いた人
多文化混成組織の支援家、Dao and Crew 船長。
事業環境のシビアさでは「世界最高峰」と言われる中国で、日系企業のリスク管理や解決困難な問題対応を 15 年以上手がけ、現地で「野戦病院」「駆け込み寺」と称される。国籍・言葉・個性のバラバラなメンバーが集まるチームは強いし楽しい!を国内外で伝える日々。