コラム
【広東・上海版】06.”いい人が採れない”時代の採用戦略…まとめ
中国で常態化した「いい人が採れない」事態への対応策。まず「人の行く裏に道あり花の山作戦」の補足を。なかなかマネー・ボールのような数値化・明確な基準設定までできませんが、弊社では人材採用に際して、独自に注力しているポイントがあります。
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・校風が自社にフィットしやすい学校との提携
・選考初期段階から能力よりチーム適性を重視
・最終選考で私がハードワーク・高成長環境を強調
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特にここ二年、手応えを感じているのが、私が面接で自社の野心的目標を語り、ハードワーク・高成長を求める環境だと強調すること。これを始めてから、採用合格者の辞退率がかなり上がりました(50%ぐらいあるかも)。高い挑戦・成長を求める環境だと伝えると、反応がきれいに二つに分かれます。一つは「忙しいって、どれくらい忙しいんですか……」と質問して躊躇や心配が顔に出るタイプ。もう一つは「まさに求めていた環境だ!」と明らかに表情が輝くタイプ。前者は辞退率が高いです。そして、これこそが私の狙いであり、お互いのためでもあると思います。お互い不本意に時間を浪費することが避けられますから。
ただ、この作戦の実行には、母数の確保が必要です。そもそも候補者が集まらないと悩んでいる会社もたくさんあるはず。母数の問題を解決するため、弊社では紹介ルートや学校との継続的な関係を大事にしています。学校で就職向け講座を開催し、自社で学生に研修・実習機会を提供しています。また、求職者には空きポストに関係なく一年中門戸を開いています。
ここまで、梅・竹・松の採用戦略をご紹介しました。これからの時代、一番マズいのは、採用が経営レベルの課題であるという認識なく、漫然と活動することでしょう。どういう戦略で行くにせよ、経営者自身の課題として採用に取り組むことを推奨します。
2021.10 Whenever広東、Whenever上海誌
この記事を書いた人
多文化混成組織の支援家、Dao and Crew 船長。
事業環境のシビアさでは「世界最高峰」と言われる中国で、日系企業のリスク管理や解決困難な問題対応を 15 年以上手がけ、現地で「野戦病院」「駆け込み寺」と称される。国籍・言葉・個性のバラバラなメンバーが集まるチームは強いし楽しい!を国内外で伝える日々。